日々子育てに奮闘中のパパ・ママなら、どこかで一度はこんな言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
「寝る前の読み聞かせを習慣化しましょう」
読み聞かせをするのは朝でも昼でもいいのに、なぜ寝る前の読み聞かせが特にすすめられるのでしょう?
今回の記事では、寝る前の読み聞かせが特におすすめされる理由について、考えてみます。
親も子どもも心を落ち着ける時間になる
忙しくて心身共に疲れ切った1日の終わり。
「1分1秒でも早く子どもに寝てほしい!絵本なんか読んでいる暇はない!!」
と、思いますよね。
実は、そんな日ほどむしろ積極的に読み聞かせに取り組んでほしいのです。
なぜなら、親の焦る気持ちは必ず子どもにも伝わっているからです。
絵本を読むことは、親も子どももバタバタした現実からふっと離れて、心を休めるひと時になります。
絵本を読み進めていると、いつの間にか読んでいるほうも絵本の世界に引き込まれてしまうんですよね。
そして、絵本を1冊読み終えることで
「いろいろ忙しい1日だったけど、子どもに絵本を読んであげられた」
という事実が、親の自己肯定感もアップしてくれると思っています。
親も子どもも心が落ち着けば、ぐっすり安眠できるような気がしませんか?
たった5分の読み聞かせで、親子共に「心の落ち着き」を取り戻せるので、今日からさっそく始めてみましょう。
ちなみに、本の読み聞かせが親子双方にいい影響を与えることは、海外の研究結果でも明らかになっています。
アメリカの小児科学会誌『Pediatrics』に掲載された香港大学社会福祉・社会行政学のQian-Wen Xie氏のグループが行った研究結果について、以下のサイトに分かりやすく解説されているので、興味のある方は参考にしてみてくださいね。
https://www.excite.co.jp/news/article/HealthPress_201804_post_3577/
入眠儀式として習慣化しやすく、生活リズムが整う
「21:00になったら寝る時間」などと決めていても、その通りにいかないことはよくありますよね。
人間の意志の力は案外弱いもの。
でも、習慣化されていることに対しては自然と体が動きます。
例えば
- 朝起きた➡トイレに行って顔を洗う
- ご飯を食べた➡皿を運んで歯を磨く
- 帰宅した➡手を洗っておやつを食べる
このように、一日の中でルーティン化されていることはいちいち考えたりしないで素早く行動に移せるのです。
夜、子どもがテレビやタブレットに夢中でなかなか寝に行こうとしない時。
「さぁ、寝に行くよ」と言うと「まだ寝ない~」となりがちです。
ところが、「さ、絵本読もうか」と声をかけるようにしたら、どうでしょう?
そう言われると、テレビも楽しいけど絵本を読んでもらうのも楽しい。
子どもにとって楽しいことからの2択になるので、寝室へ行くハードルが下がります。
そこで、さっきと同じ習慣化です。
- 絵本を読んだ➡電気を消して、おやすみなさい
「もっと読む~」という事態になったとき、時間に余裕があれば読んであげてもいいし、「じゃあ明日読む本を、枕元に置いておこう」でもいいと思います。
読み聞かせは、規則正しい生活習慣を身に付けるのにも大いに役立ってくれます。
寝ている間に記憶が定着する
脳は、寝ている間に情報を整理するそうです。
受験生の勉強法でもよく言われることですが、寝る前に暗記したいもののインプット作業を行うと、寝ている間に情報が整理されて、記憶が定着しやすくなるとか。
子どもへの読み聞かせにも、同じことが言えます。
絵本を読み聞かせていると、日常会話の中ではあまり使われない言葉にも多く出会うことができるんですよね。
例えば、朝起きて窓を開けたら外が雪で真っ白だったとき。
会話文ならせいぜい「わぁ~。今日は雪がすごいよ!」くらいのものですが、文章になると全く違います。
「雪がひらひらと舞い落ちてくる」だったり。
「雪がしんしんと降り続いている」だったり。
日常会話は、せいぜい500語前後の組み合わせと言われています。
絵本を読むことは「日常会話で出合えない多くの言葉のシャワーを浴びる」ことにつながるのです。
寝る前に楽しんでインプットした言葉の数々。
それは意識していないうちに子どもたちの中に蓄積されていきます。
そうして、「勉強しなくちゃ!」と意気込んで勉強したわけでもないのに国語力として自然と獲得されるのです。
寝る前の読み聞かせで気を付けること
ここまで読んで、「じゃあさっそく今日から夜寝る前に読み聞かせを始めよう!」と思った方に、注意点もお伝えしておきます。
寝る前の読み聞かせは、「親子共に心を落ち着けて、安眠できるように」という視点が大切。
- 深い問題提起や、考えさせられる内容の本を読んで眠れなくなる
- 子どもの不安や興奮をかきたてる内容の本を読んで、かえって目がさえてしまう
このような本は、良書であっても読むタイミングを考えたいもの。
心を落ち着けて、安心して眠れる本を選びましょう。
- 親の負担にならない、短めでスッキリした読後感の本
- 「おやすみなさい」の言葉で終わる本
- 楽しい空想にふけりながら眠りにつける本
個人的には、このような視点で夜寝る前にオススメの絵本を選んでみたので、こちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ
今回の記事では、寝る前に読み聞かせをするとどんな効果があるかについてお伝えしてきました。
- 親も子どもも心落ち着ける時間になる
- 入眠儀式として習慣化しやすく、生活リズムが整う
- 寝ている間に記憶が定着する
このようなメリットと共に、寝る前の読み聞かせで気を付けたいことと、オススメの絵本も紹介しました。
読み聞かせは、親も子どもも楽しむのが1番!
「今日は1冊も読むひまがなかった…」とか、「親失格だわ」なんて落ち込んだりする必要はありません。
子育て中の長い期間楽しむためにも、無理せず、ゆるく、楽しめる本を探していきましょう♪